昔に戻り過ちや失った過去を治す事が出来たらどんなにいいでしょうか。過去には大なり小なり悔やまれる事が誰しもあります。その事を避けるようにしたらどんなに幸せなのでしょうか。
過去に戻り人を救う事も悔やまれる事を治す事も出来る能力があったらどうでしょう。それをどのように活用するかその人次第でしょうが。
今回の漫画「僕だけがいない街」は三部けいさんの意欲作です。謎が謎を呼ぶサスペンス漫画です。
「僕だけがいない街」のあらすじ
藤沼悟はさえない漫画家で今日も大手出版社の担当にダメ出しをもらっていました。漫画家として中々成功できないでいました。しかしバイトのピザ配達では大きな戦力となっていました。そして彼に好意を寄せてる明るい高校生バイト片桐愛梨と一緒にいつも通りバイトを始めました。
そんな彼には「リバイバル」と呼ばれる過去に戻れる力を持っていました。しかしこの能力は予告なしに現れます。ピザの配達中に違和感を覚えその原因を探り小学生の男の子が轢かれる光景がイメージされます。そしてそれを回避するように行動する悟。しかしその事で彼は大けがをして入院します。しかしその事で愛梨との距離が縮まります。
入院している時悟は夢を見ました。昔からよく見る夢でした。彼の故郷で雪が降る中に一人の女の子が立っています。彼女の名前は雛月加代。地味目の女の子で彼女はある事件で死んでしまったのでした。加代の母親が笑みを浮かべている姿に悟は恐怖の記憶として残っていました。
そして悟は退院していました。そして自分の部屋へと戻るとそこには彼女の母親が立っていました。彼女の母親佐知子は元テレビアナウンサーで常にマイペースな女性でした。いつものようにマイペースな感じで話している彼女でしたが、突然昔の誘拐事件の話をし始めました。「危ないトコだったんだよ」彼女はそう話しました。悟は動きが止まってしまいました。
過去の記憶とリバイバル
ネタバレです。悟はさえない男でした。漫画での大成もままならずバイトのピザ配達にも惰性でやっている状態でした。「リバイバル」と呼ばれる過去に戻れる能力を使い人助けをしています。しかし無傷で終わる事もなく彼の意志とは無関係にその能力は訪れます。
子供を救おうとして大けがを負い入院するもバイト仲間の愛梨と仲良くなり更に母親が突然現れ昔の話をします。それは昔の誘拐事件です。彼の夢の中で出て来るのはその誘拐事件で死んだ雛月加代でした。彼女の死にはたくさんの疑問がありました。そして回想する悟。
幼い頃の悟は引っ込み思案でした。しかしユウキくんと呼ばれる先輩に出会った事で彼は変わっていきます。しかし誘拐殺人事件が起こっていました。そしてその犯人がユウキくんだったとなり彼は服役しました。
その事が彼のトラウマとなり悟の中に残っていました。
感想
この漫画は多方面でのメディア展開があるなど人気作です。それはねりにねったストーリーにありそうです。展開が急に動いているようで違和感がなくしっかりと話しの本道から外れる事もないのです。
1巻では序章という感じで伏線をはるような感じです。しかし最後の方で急に動き出します。これは読んでいただく方がいいのでネタバレはしない方がいいです。適度なスピード感があり謎を置いていくので先に先に読みたくなります。
彼が事故にあい仲良くなっていく愛梨との仲も気になります。この後母親を含め三人で住むのですが、これも何かの伏線かと疑っています。しかし彼の回想している夢はかなり大きなウェイトを占めて来るでしょう。そして目立たない少女加代と彼女の母親の笑みなどこの夢にはいくつかのポイントがありそうです。
また犯人とされたユウキくん。彼は本当に犯人なのでしょうか。その事も疑問として残っています。まだ誘拐殺人犯は他にいるのではと思ってしまいます。2巻以降で新しい材料が出て来るでしょう。また謎解きを始めましょう。
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