新しい学校に通うという事は希望に満ちています。どんな学校だろうか?どんな人がいるのか? そんな事を想像しながら通う学校生活は楽しいものとなるでしょう。
しかしその学校がミステリアスで友達もミステリアスであったとしたらどうなのでしょう。そしてその学校でサバイバルが行われるとしたら。
そんな学校生活を描く宮条カルナさんの「アホリズム」。サスペンスと恐怖が混在する漫画です。
アホリズムのあらすじ
最玉県楢鹿市にある楢鹿高校(ならかこうこう)。卒業するだけで地位や名誉を手に入れると言う触れこみで生徒を募集しています。この学校の入学法はいたって簡単、空の島が見えればいいのです。
ちょっと幼い感じの男の子六道紅葉は田舎からこの楢鹿市に来ました。初めての都会で戸惑っていて車を轢かれそうになった所を同じ学校に通う美少女比良坂アイラに助けられます。彼女の姿を見てこれから始まる高校生活に希望を持ちます。
そして二人は楢鹿高校の入学式へと向かい優しそうな理事長耶麻の話が始まります。その時に紅葉は異様な生徒達の緊張感が気になります。そして入学式が終わりアイラと話していると、迫力のある女性と出会います。教室へと早く向かうように話す彼女は彼等の担任御堂でした。
教室につくと彼女は高圧的に話を始めます。紙を生徒達に渡すとこれから始まる戦いの為に必要な漢字一文字を書くように伝えます。紅葉は「刀」を選択し紅葉は悩み今までから変わりたい為に「変」を選択します。
この文字にどんな意味があるのか。戦いとは何なのでしょうか。
神蝕の瞬間に学校の正体が分かる
ネタバレです。希望に満ちて楢鹿高校に入学した紅葉。美少女アイラとの出会いも運命と感じ夢は膨らむ一方ですが、そんな紅葉の夢も壊すような入学式の生徒達の緊張感と担任御堂のクールな態度。
文字を書く生徒達に急かす御堂と別室で見ている謎の人物の「神蝕」が始まるという言葉。そして書かれた言葉を声に出すと、炎と共に手にその文字が張りつきます。「儀式は完了したな」と御堂は呟きます。続けてこれから命を賭け戦ってもらうと叫びます。ここは不浄の地であり太陽と空の島が重なる時が「神蝕」と呼ばれます。
その瞬間グロテスクな生き物が現れ御堂は戦うように促します。戸惑う事もなく外へと戦いに向かう生徒達に戸惑うアイラと紅葉。二人を戦いの場所へと導こうとする御堂に疑問をぶつける紅葉。しかし彼女は冷静に生きて卒業すれば偉い人物になれるという。ここから本当のサバイバルが始まります。
感想
「アホリズム」とは学園サバイバルを題材とした漫画です。対外的な敵といってもグロテスクな生き物が相手です。幼い感じの紅葉もこの戦いに疑問を持ちながらも戦いの場へと身を投じます。容赦なく向かってくる敵に倒される生徒達。アイラと紅葉は必死に逃げまどうもなぜかペンギンになってしまう紅葉。
ここで新しいキャラが登場します。炎の文字を持つクールな女性坂崎志絵に危機的状況をアイラは助けられます。しかし炎の文字の少女志絵を助けようとするアイラに敵は容赦なく襲い掛かります。アイラは刀を使い立ち向かいますが徐々に追い詰められて危機がくると紅葉の文字の力が覚醒します。
一巻という事もあり登場人物紹介や物語の概要を丁寧に描いていきます。ここでよく読んでいくと御堂と敵(化け物)が並んでいる姿が何気なく描かれているのですが、結構凄い伏線ですね。どのように回収されるのでしょうか。後理事長の耶麻の穏やかそうな顔がずいぶん気になります。後いきなり強いキャラへと変わる紅葉。この辺りも後々に分かってくるのでしょう。
グロイ描写も多いのですが、絵がさわやか系なので結構すんなり入っていきます。序盤はラブコメっぽい出だしでしたが、中盤辺りからのスピードアップは展開の変化にメリハリがあり、いい感じです。また楢鹿(ならか)とはインドでは地獄という意味でした。
そして最後の方で日向三十郎という紅葉のルームメイトとなる男子がいます。戦いを楽しむような素振りをみせますが、彼は今後大きな影響を持ちそうです。
アホリズムは新しい形の謎解き漫画でしょう。1巻では物語の序章という感じでしょうか。この事を丁寧に描いているので2巻以降が楽しみです。
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