新選組の数少ない生き残りである永倉新八の元を訪れた一人の女。
女は、土方歳三の真の姿を追い求めていました。永倉が語る、出会いからの土方は、剣を極めるためなら怖いもの知らずの若武者ぶりでした。
試衛館での、新選組発足前の数々の戦いを女に聞かせます。仲間は家族という近藤勇の元に集まった猛者たちの、熱い物語です。
「ちるらん 新撰組鎮魂歌」2巻のあらすじ
土方の窮地に駆けつけた近藤。試衛館の面々が揃い、斎藤のため剣を振ることを覚悟します。近藤の「家族」という言葉に一致団結する試衛館のメンバー。
しかし、そこに幕府藩所調所頭取である勝海舟が現れるのです。手には斎藤が斬った田島龍之介の遺書がありました。龍之介は、自分の死後、仇討ちとなるのを見越し、武士としての最期を斎藤によって成し遂げられたいきさつが書かれていたのです。
龍之介の覚悟を知り、武士としてのあるべき姿に感心した勝。間に入り、戦いをおさめた勝の温情で、斎藤が江戸を離れることで一件落着したのでした。
「ちるらん 新撰組鎮魂歌」2巻のネタバレ
文久3年、小石川伝通院へ急ぎ駆けつける土方。関東一円から腕自慢が集結しています。世に言う浪士組結成の総集会です。
集まったのは、気の荒い連中ばかりですが、ここに集まった人間たちは、上洛する将軍家茂の警護をし、その後士分・旗本に取り立ててもらおうとしているのです。
評判がすこぶる悪くても、腕が立つことが第一。その中で一際目を引く一人の男が居ました。気に入らなければ迷いなく相手を斬りつけるこの男の名は、芹沢鴨。後に、新選組局長となる男です。
時代は、倒幕を企む尊王攘夷派の長州・土佐藩、幕府の威信回復を目指す佐幕派の会津・桑名藩、そして朝廷と幕府の融和を目指す公武合体派の土佐藩という、己の命を賭ける男たちがせめぎ合っていたのです。
芹沢は、試衛館のメンバーを一瞥し、小柄でまるで子供のような沖田総司を一目で最強と見極めます。沖田は幼いころ姉とふたりで外出している際、気の狂った人斬りに遭遇しました。
そこで、姉を守るためとは言え、何のためらいもなく軽い身のこなしで人斬りを無残なまでに惨殺したのです。その姿に恐れをなした総司の姉。
鬼子と周囲から言われた総司を、近藤は引き取り育てたのです。総司は芹沢には勝てないと踏んだ近藤は仲裁に入り、その場を収めます。沖田総司、生まれて初めての完敗でした。
感想
遂に登場しましたね、お待ちかねの芹沢鴨。新選組創立のメンバーが続々出揃って来ました。確固たる己の意志の元、意志貫徹した新選組は、元は荒くれものの集まりという面白い出だしです。
荒くれものながらも、強くなりたいという思いは同じ。土方の周りには、いつしか名だたる強者が揃い、それらを仕切る近藤の器の大きさが見えます。近藤の人柄は、みんなに愛されていたのですね。
そして、鬼子と呼ばれ、実の姉からも恐れられた総司に涙を流させた芹沢鴨。これから新選組発足まで、どういう流れになっていくのか、とても興味があります。
まだ各々が「思想」というものにとらわれているとは思えないだけに、今後の展開が楽しみです。
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