武士とは無士ナリ、武士とは武死ナリ・・・
武に生きる漢(おとこ)たちの、散ることを恐れない幕末の世。
最後の徒華、新選組。彼らの生きた証は、今の世にも語り継がれ、息づいているのです。何を守り、何を捨てて生きたのか。彼らの思いが綴られます。
「ちるらん 新撰組鎮魂歌」1巻のあらすじ
明治45年、北海道小樽。若い女が、タチの悪い男たちに絡まれています。強気な女も、男の力に敵う筈もなく、絶体絶命かと思ったそのとき、ひとりの老人が間に入ります。
一太刀で相手をねじ伏せるその男、新選組二番隊組長、永倉新八。
彼女が追い求めているのは、新選組・鬼の副長と呼ばれた土方歳三の真実。それを求め、永倉の前に現れたのでした。彼女の瞳に見覚えがあった永倉。ひとつ、またひとつと語り始めるのでした。
当時24歳、農家の四男坊の土方は、薬売りをしながら、剣術磨きがてら道場破りをして回っていました。腕には自信があり、あらゆる道場を破ってきた土方が、全く歯が立たなかった道場「試衛館」。
そこの大将こそ、近藤勇。最強を追い求める土方の闘いの始まりでした。
「ちるらん 新撰組鎮魂歌」1巻のネタバレ
土方が試衛館入門して一年後、大老井伊直弼は水戸浪士たちの凶刀に倒れます。いわゆる「桜田門外の変」の勃発です。幕府の権威は失墜し、幕府VS尊王攘夷派諸藩の全面対決へと突入していきます。
新選組結成まであと3年というこのとき、土方らは、ひたすら剣術の稽古に励んでいる頃、
江戸では、最強の辻斬りと呼ばれる人間が世間を騒がせていました。
その辻斬りを倒し、試衛館の名を上げようと意気込む土方。襲われそうな手練れの武士の後をつけ、辻斬りが現れるのを待ちます。
予想は的中し、辻斬りと対峙した土方と永倉。辻斬りの名は岡田以蔵。幕末を震撼とさせた「人斬り以蔵」です。木刀同士での二人の討ち合いは、まさに互角。辻斬りと呼ばれる以蔵は、人殺しは好かないながら最強を目指す男だったのです。
斉藤一が、近藤が講武所教授就任という大事な時期に旗本の子息・田島龍之介を斬ったことで、連れていかれます。しかし、斉藤は何も言い訳をしなかったものの、真実は病気で先の短い龍之介を、武士としての最期の手助けをしたものでした。
理由は聞かずとも、斉藤を信じ助けに行く土方。試衛館の男たちは、各々を認め合う集団。これが後の新選組となるのです。
感想
誰もが知る新選組。近藤勇の元に集まった、いずれ新選組隊士となる豪華な面々が魅力的ですね。それぞれが独特なキャラクター、特に土方歳三は、いかにもやんちゃで血気盛んな青年という感じです。
強くなるため、常に高みを目指す剣豪たちの修練の日々が、とても輝いていますね。同じ志を持つ剣士たちというのは、言葉ではなく、全てを剣の中に込めているのが美しいと思いました。
世を震撼とさせ、明治維新を遅れさせたと言われる新選組の行動。その行動は、何が正解で何が不正解だったのかはわかりません。これから、そこに踏み込んでいくことになりますね。今後の展開がとても楽しみです。
この記事へのコメントはありません。