麗美という一人の有名ファッションデザイナーに憧れ、認められようと歌舞伎町の地に根を張ることを決めた遼介。ホストの世界は自分で思っていたよりも厳しいものでした。
麗美の力も借り、ホストとしての道を歩き始めたものの、一人前になるにはまだまだの遼介。たくさんの人間たちと関わり合い、ホストとして、人間として成長していくのです。
「夜王」2巻のあらすじ
客のエリカは上客だと見込み、300万もの売掛を許していたものの、突然現れなくなったエリカに焦る遼介。遼介を心配する、店の先輩・修は、麗美に相談するよう言いますが、遼介は、それだけは出来ないと言うのです。
遼介は店を休み、金策に駆け回りますが、どこも工面してくれるところは見つかりません。遼介の客である美咲や麻美は、店に来たものの遼介が居ないと知ると帰っていきます。後を追った修は、二人に遼介が店を休んでいる事情を話すのでした。
心配する仲間たちに、300万の工面ができなかったら店を辞めると告げる遼介。そんな遼介をライバルの聖也が呼び出します。
目の前に300万の札束を置き、遼介にくれてやると言うのでした。これを受け取ることはプライドが許さない遼介。受け取らない遼介を激しく睨む聖也でした。
「夜王」2巻のネタバレ
遼介の危機を聞いた麗美。しかし、すぐに助けることはしません。最後まで、遼介自身に考え動かせることを選んだのです。
店のオーナーに、今まで店に来てくれた客のことも考えるよう言われた遼介は、せめて会って今までの礼を言ってから辞めようと思い、美咲や麻美、高橋が勤めるそれぞれの店に行きますが、みんな休んでいたり、急に辞めていたり、誰とも会うことができないまま、遼介は最後の夜の仕事に向かうことになってしまいます。
そこに現れたのは、女装した高橋と、連れてきた店の女の子が4人。遼介のタイムリミットまでに、少しでも売り上げに貢献しようとやって来たのでした。
続いて、美咲が友人たちを連れ店を訪れ、そして引き続き麻美も同じように友人たちを連れてやってきます。みんな、遼介を助けるために、総額800万というお金を払ってくれたのでした。
閉店間際、心配して様子を見に来た麗美は、嬉し涙を流す遼介に安心します。店を出た麗美は、そこでエリカに会い、聖也の子分たちに脅され、わざと遼介に300万もの売掛をして姿をくらませていたことを知ります。
卑怯な手段を許さない聖也は、子分たちのしたことに対し、遼介に頭を下げます。そんな聖也に、遼介は器の大きさを思い知るのでした。
感想
人の好さだけでは、歌舞伎町という世界ではやっていけないと思い知った遼介。しかし、ピンチに陥った遼介を救ったのもまた、遼介の人の好さだったようですね。心を通い合わせることの大事さを、遼介は思い知ったことと思います。
高橋も、美咲も、麻美も、それだけ遼介に救われていたということなのでしょうね。麗美は、自分の出番がなかったことに、喜んでもいるし、少しの寂しさも感じているようです。
しかし、癌に冒されている麗美には、遼介を厳しく育てることで、早く一人前のホストに仕上げることが生きた証となるのかもしれません。
自分の死んだ後のことも考え、麗美は親友である女優の瞳に、遼介を託します。これほどまでに遼介を思う麗美と遼介は、結ばれる日が来ることは無いのでしょうか。せめて麗美が死ぬまでに、お互いの心がもっと通い合うといいですね。
この記事へのコメントはありません。