大都会東京。そこへ行けば何かが変わると思っていた遼介。北海道でいつまでも暴走族をやっているわけにはいかないと一念発起したものの、東京という街は、簡単に人生を変えてはくれなかった。
雨の中ずぶ濡れになりながら、ふと見上げると高層ホテルが立ち並んでいます。いつか、その最上階から東京の街を見下ろしてやると、遼介はひとり心に誓うのでした。
「夜王」1巻のあらすじ
目に留まった高層ホテルに、ずぶ濡れのまま踏み入った的場遼介。とりあえず最上階からの眺めを、と思いエレベーターに乗り込むと、一組の男女が入ってきます。
人生でいまだかつて見たこともないような美人と、スマートな身のこなしの男。男は、女のフロアの階まで送り、そのまま帰っていきます。
都会的な佇まいに尻込みしたものの、エレベーターを降りた女の後をふらふら追ってしまった遼介。その女は麗美といい、初対面の遼介を部屋に招き入れるのです。
ずぶ濡れの遼介にタオルを貸し、身の上話を聞く麗美。雨が上がり帰っていく遼介は、いつかまた麗美に会いたいと思うのでした。
外へ出ると、麗美と一緒にいた男が酔っ払いに絡まれています。聞いていると、その男・聖也は歌舞伎町のホストクラブ「ロミオ」で働いているといいます。遼介に一筋の光が見えたのでした。
「夜王」1巻のネタバレ
聖也のような男になって、麗美に近づきたい遼介は、ロミオで働き始めます。見習いから始め、入店後の2週間で指名客をひとり確保することが入店テストなのです。
しかし、もともとナンパなどしたこともない遼介は、いくら道行く女性に声をかけても相手にしてもらえません。
店のナンバーワンである聖也にくらべ、何の特技も持たない遼介は、客の女を楽しませる術もありません。
店に訪れた麗美。麗美は、遼介たち見習いをテーブルにつかせます。それぞれの接客を見定める麗美。他のふたりのように社交ダンスも踊れない遼介は、やけになってヤンキー時代のロックンロールツイストをフロアで踊ります。
面白いと、麗美どころか、他の客たちも集まり踊りだす様子に、見ていた聖也は面白くありません。聖也の考えるホスト像とは、あまりにもかけ離れた遼介を指名した麗美に、聖也は遼介に対し怒りをみなぎらせるのでした。
麗美は遼介を最高のホストにすべく、身なりを整えさせるために、上から下まで全てを買い与えます。麗美の期待に応えられるよう、遼介は客と心を通わせることに努力します。
客に「ありがとう」を言ってもらえるホストを目指し、遼介は歌舞伎町に根を張ることにしたのでした。
感想
ヤンキーでなんのとりえも目的もないまま上京し、当然のように行き場をなくした遼介の前に現れた麗美。麗美にとって、遼介を一人前にすることが、生きる目的のようになっています。
時間がないと言う麗美。麗美の身に何が起こっているのでしょう。遼介は、麗美の手により、無事に正社員として店に迎え入れられましたね。
しかし、それを面白くない聖也は、この先もなにかと対立してくるかもしれませんね。遼介のピュアな性格は、どこまで歌舞伎町で通用するのでしょう。
しかし、そのピュアな心で、女性客を掴んでいく遼介ですから、今のまま、ピュアな心を失わずに歌舞伎町という世界でトップに立ってほしいですね。
これから出会う女性客たちに、どんな幸せな時間を作ってあげるのか、とても楽しみです。
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