父と母が離婚して7年。父が再婚することになり、再婚相手と同じマンションへ引っ越してきたちなみ。
再婚相手には同じ年齢の娘もいて、そのお隣さんの兄弟も、なんだかひと癖ありそうです。素直になれないちなみが、父の再婚を機にどう変わっていくのでしょう。
複雑な思春期の心を映し出したお話です。
「夕暮れライト」1巻のあらすじ
父親と二人暮らしのちなみは中学3年生。母親に好きな人ができて出て行ってから、ふたりで上手くやっていると思っていました。
しかし、父親が再婚を考え、再婚相手のマンションへ引っ越すことになります。学校で友人関係が上手くいっていなかったちなみは、転校に関しては何の異論も無かったのですが、驚いたことに再婚相手には、ちなみと同じ年齢の娘がいるというのです。
引っ越しも済み、再婚相手とその娘が挨拶に来ても、顔も出さないちなみ。ちなみが納得するまで籍をいれないつもりの父親に、相手がどんな人物なのかを見極めようと思うのでした。
翌日、持参してくれたいなり寿司のお礼も兼ねて、10階に住む相手先へひとりで挨拶に向かったちなみ。お母さんと娘の二人暮らしのはずなのに、出てきたのは男の子。隣に住む兄弟、相馬雄大と奏多でした。
娘・和音はとても素直そうで優しそうで、母親も地味ながらも優しそうな姿に、ちなみは複雑な思いでした。
「夕暮れライト」1巻のネタバレ
転校初日、クラスに入ると、そこには昨日会った奏多がいます。しかも、席が隣なのです。印象の悪い奏多ですが、幼いころから仲のいい和音の母が再婚すると知り、奏多も兄の雄大もちなみと同じように相手がどんな家族なのか見極めようとしていたのでした。
和音とは別のクラスでしたが、時折学校で見かける和音は、おとなしいからか周囲に都合よく雑用を押し付けられてばかりです。そんな和音を見たちなみは、和音のクラスメイトに向かって、正面から啖呵を切るのでした。
思ったことをストレートに言ってしまうちなみは、前の学校でもこれが原因でトラブルになっていたのです。
ふた家族と、雄大・奏多兄弟の6人で、親睦を深めるために出かけた遊園地。居心地が悪く、そこでも単独行動に走るちなみ。
偶然会った転校前のクラスメイトと口論になり、ちなみの態度をなじる様子を見た和音は、そこからちなみを助け出します。和音の優しさに触れ、涙がこぼれるちなみ。次第に変わっていくちなみの態度は、和音をも明るい女の子へと変えていくのでした。
奏多とも次第に打ち解け、いつしか気になるようになってきたちなみ。そして和音とも、少しずつ距離が縮んでいくのでした。
感想
新しい家族を迎えるというのは、はたで思うよりすっと難しいものなのでしょうね。
思春期の女の子が、大好きな父親を新しいお母さんに取られると思ってしまえば、仕方のないことなのかもしれません。
ちなみの場合、相手の子供が同じ年齢ということで、仲良くなるきっかけがあってよかったですよね。
和音を守ってきた雄大と奏多。この二人も、ちなみ親子がどんな人間なのか、とても気になっているようです。和音が幸せになれるよう、それだけを願っているのですね。
兄妹のように育ってきたという3人に、心の中では羨ましいと思っているようですね。
この先、順調に親同士の再婚が進んでいくのか、ちなみと奏多の関係がどうなっていくのか、とても楽しみです。
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