同級生の女の子ふたりの中身が入れ替わってしまうストーリー。
とても可愛らしく友達の多いあゆみ、見た目も地味でお世辞にも可愛いとは言えない然子。入れ替わって得をするのは?元に戻りたいのは?
妬み嫉みは、人間の心を変えてしまいます。しかし、そんな闇の部分を人々の優しさで乗り越えるお話です。
「宇宙を駆けるよだか」1巻のあらすじ
小日向あゆみ、高校1年生。
大好きなしろちゃんから告白され、人生初の彼氏ができました。
赤月町の名物、赤月の日。赤月の町の地形と光の反射による錯覚から、真昼に赤い月が浮かぶ不思議な日。この日初めてしろちゃんとのデートに向かうあゆみに、同級生の海根然子から着信が入ります。
「今から死ぬ」と言う然子。見上げると、ビルの屋上にその姿がありました。そして、あゆみの目の前で、然子は真っ逆さまに落ちていくのでした。
しろちゃんとのデートに向かっていたのに、とんでもない場面に遭遇してしまったあゆみ。なぜ、特に親しいわけでもない然子は、わざわざあゆみに死の直前電話してきたのでしょう。
「宇宙を駆けるよだか」1巻のネタバレ
然子が目の前で自殺し、その先の記憶が無いあゆみ。目が覚めるとそこは病院でした。貧血で倒れたところを運ばれてきたようです。しかし、看護師に「海根さん」と呼ばれるあゆみ。
鏡を見ると、そこに映っているのは、さっき目の前で飛び降り自殺をしたはずの然子の姿だったのです。
誰に言っても信じてもらえず、あゆみは仕方なく然子の姿で登校したものの、然子はクラスで孤立していて話す人はひとりもいません。入れ替わった然子に、どうにかして元に戻ろうと話すものの、然子はある方法を使って、あえて入れ替わったのだと話します。
赤月の日、入れ替わりたい人に見られて死ぬと、その相手と入れ替われるという、信じられない方法で、然子はあゆみと入れ替わったのでした。しろちゃんと付き合いたい一心で、然子は決死の覚悟でビルから飛び降りたのです。
最初に異変を感じたのは火賀でした。あゆみをずっと好きだった火賀は、然子の姿をした同級生の中に、あゆみを感じます。そして、筆跡から、然子の姿ではあるが、中身はあゆみだと確信するのでした。
火賀は、元に戻れなくても、そのままのあゆみでも受け止めてくれるといいます。火賀の優しさが嬉しいあゆみでしたが、全てを知ったしろちゃんも黙ってはいないのでした。
感想
自分のなりたい相手と入れ替われたら・・・きっとだれでも少しは考えたことがありますよね。それを、命がけで決行した然子。そこまでして、あゆみになりたかったのですね。
コンプレックスの塊だった然子にとって、あゆみは憧れの存在だったのでしょうね。そのあゆみが、片想いの相手であるしろちゃんと付き合い始めた。あゆみと入れ替われば、しろちゃんの隣にいられる・・・という、究極の乙女心だったのでしょう。
火賀が、然子の体なのにあゆみを感じたのは、やはり想いの深さからでしょうか。好きになったのは、明るく優しいあゆみであって、外見に惹かれたわけではないということなのでしょう。
事情を知ったしろちゃんは、これからどうするのでしょうね。火賀になりたいしろちゃんは、入れ替わりの実行に踏み切るのでしょうか。
幸せとは何なのか、ちょっと考えさせられてしまいますね。
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