火星に放たれたゴキブリ達へ、人類の抵抗が始まる――。
『手術後に生まれた子供』膝丸燈《ひざまるあかり》は、昆虫の能力を持った孤児でした。
彼は事情を抱えた若者達と、「バグズ2号計画」の生還者の一人、小町小吉艦長と共に、火星に飛び立ちます。
漫画「テラフォーマーズ」2巻のあらすじ
前巻より二十年後、火星から地球へ奇跡的に生還した小吉は、タイへと向かいます。
そこにいたのは、地下格闘施設で、戦う二十歳の青年でした。彼の名は膝丸燈。日本の児童養護施設で育った彼は、病に倒れた同じ施設の同い年の女の子、百合子のためにファイトマネーを得て、手術にあてようとしていました。
巨大な熊と戦わされた燈は、攻撃を受けて食われかけます。しかし、普通なら死ぬような怪我を負った燈の体に変化がおこります。角のような触角を出し、熊に一本背負いをくらわす燈は、人とは思えない力を発揮します。
勝利した燈でしたが、主催者は燈を勝たせる気はなく、百合子は売られていました。
百合子を買ったのは、小吉でした。既に手遅れだった百合子は、手を尽くしたにもかかわらず、燈が戦う前にもう亡くなっていたのです。
号泣する燈に、小吉は言います。
「彼女と同じ病気の子達を救いたくはないか」
小吉は燈を『手術後に生まれた子供』と呼び、自分は火星探索チーム総隊長の小町小吉だと自己紹介します。そして同行していた副長ミッシェル・K・ディヴィスも紹介すると、百合子の病気は地球の外から飛来したものだと説明します。
今後広がるだろう病魔の原因と解決の可能性を求めて、燈は小吉の差し出した手を取ります。
漫画「テラフォーマーズ」2巻のネタバレ
ネタバレです。燈はバグズ手術を受けました。
他、手術を受けて火星に行く少年少女は訳ありの者達ばかりです。その中のマルコス、アレックス、シーラは、麻薬カルテルが幅をきかせるグランメキシコの出身です。ギャングも差別もない場所を求め、彼らは火星開拓クルーに志願します。
他、ドイツ出身のエヴァやロシア出身のイワンなど、世界各国から若者が集められました。彼らは徐々に絆を深めていきます。
彼らが火星に向かう理由は惑星開拓の他に、A・Eウィルスという地球で流行が危惧されている新種のDNAウィルスに理由がありました。42年前に現われ、20年前に急激に増えたというこのウィルスは、小吉達が火星から持ち帰ったと目されています。感染した場合、致死率は100%。
そのため、火星でウィルスのサンプルもしくは毒性の弱い近親種を見つけてワクチンを作り出そうとしているのです。
しかし、無人機によるサンプルは、火星のゴキブリ――通称テラフォーマーが邪魔をしていずれも失敗に終わっていました。
バグズ手術を受けたクルー達およそ100名は、大型宇宙鑑「アネックス1号」に乗り、人類の希望として火星へ向かいます。
しかし、アネックス1号に異変が起こります。どこから侵入したのか、テラフォーマーが侵入していたのです。
手術によって得られた能力を発現させる薬を取りに、燈は倉庫へと走ります。しかし、倉庫にも複数のゴキブリ達がいたのです。絶体絶命の燈達は、この危機を乗り越えることは出来るのでしょうか?
漫画「テラフォーマーズ」2巻の感想
前巻から一気に時代が進み、数少ない生還者であった小吉が、艦長として次代の火星開拓に乗り出します。新たな主役たる燈は、手術を受ける前から生まれながらに昆虫の力を持っている謎多き青年です。
また、他の若者達も、大変な生い立ちを抱えながらも明るく前向きに火星へのミッションに臨んでいます。
今回は、地球で流行し始めた火星由来のウィルスのため、ウィルスのサンプル採取という新たな目的が加わりました。いつの間にか宇宙船に入りこんでいたゴキブリたちは、何者かの手引きか、それとも執念の侵入か、真相が大変気になります。
危機的状況のアネックス1号ですが、手に汗握る展開に、次巻が大変楽しみです。
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