私立晨光学院町田高校2年4組。色物キワモノが集められたこのクラス。半面、美少女が集められていることも特徴です。
教員たちも、かなり特色のある人間が集い、ちょっとの引火で大事件が起きそうなこの高校。そして、引火のスイッチは、すでにカウントダウンされているのかもしれません。
「悪の教典」1巻のあらすじ
蓮実 聖司が担任を勤める2年4組。多数の問題児と、容姿端麗な女子生徒の集う歪んだクラスです。夏越雄一郎は、片桐怜花と共に、このクラスの集められ方にたじろぎます。
反抗的な生徒、被害妄想の生徒、裏サイトに精通する生徒、優秀だが嫌味な生徒、
いじめっ子といじめられっ子のセット、他校との喧嘩が絶えない生徒とそのライバル生徒。全てを集約したこのクラス編成に、いわゆる普通の生徒である雄一郎は苦痛で仕方ありません。
この学校の教師連中も、チンピラ体育教師、ヒステリックな国語教師、メタボな英語教師、ホラー系生物教師、際立った特質の教師たちに囲まれる生徒たち。
そして、鍵を握る担任蓮見。何かを企んでいる目つきに、まだ生徒たちは気付くことができないのでした。そしてそれが、この先起こる恐ろしい出来事に繋がることも、今はまだ予想もできないのでした。
「悪の教典」1巻のネタバレ
ある日、怜花から相談を受けた蓮見。放課後、その内容を聞くと、クラスの女子にセクハラを受けている生徒がいると言います。その生徒は安原美彌。相手は体育教師の柴原だといいます。
柴原は、用事があると言っては美彌を呼び出し、戻ってくる安原の様子はいつもおかしいのだと言う怜花。美彌に話を聞くと、始めは渋っていたものの、次第に語りだす美彌。
出来心で犯してしまったドラッグストアでの万引き。それを柴原に目撃され、ばらされて退学になりたくなかった美彌は、柴原の言いなりになるしかなかったと泣くのでした。
美彌を連れ、ドラッグストアに謝罪に行き、これ以上柴原に脅されるネタを無くした蓮見。全ては蓮見の思う「理想のクラス」実現のため。
1組の早水圭介は、教師をからかい、矛先は自分に向かないようにする念の入れようです。学校は自分にとって最高の遊び場だから教師にはもっと楽しませてもらうと豪語します。しかし、その陰で、理想の王国を築くための思惑が、蓮見によって着実に形作られようとしていたのです。
「悪の教典」1巻の感想
荒れた学校というのはどこにでもあるもので、しかしそれをひとクラスに集め、そして理想に仕上げていこうとする、蓮見の歪んだ理想が所々に散りばめられているようです。
生徒思いで、生徒のためなら時間を問わず動いてくれる理想的な教師を演じながら、生徒を懐柔していっているのが窺えますよね。生徒同様、癖のある教師陣に対しても、温和に良心的に接し、味方へ引き込んでいきます。
こういうタイプの人間が、いちばん恐ろしいですよね。人間が、いかに上辺だけで相手を見ているか、何をもって相手が信用に値すると見極められるのか、考えさせられるところがありますよね。
巧みに企てられたことを見抜く力を持つ人は、少ないかもしれないですね。
蓮見のやろうとしている計画は何なのでしょう。理想の王国とは、いったい何を指しているのでしょう。闇のなか、生徒たちに何が降りかかってくるのでしょう。
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