マンガトレジャー

水商売の若いママが厳しい主婦達のいる団地へ引っ越して来たら……？

それはもう嵐の予感しかしないのですが、この「キャバママ」はシングルマザーでキャバ嬢のママ、向日葵を主人公に、破天荒な彼女の周りでおこるドラマを描いたハートフルストーリーです。

「キャバママ」１巻のあらすじ

松原団地に、ある日引っ越して来た派手な身なりの若いママ、朝日奈向日葵は、キャバ嬢。自己紹介であっけらかんとそう言ってのけた彼女は、小学生の息子の大地と二人家族のシングルマザーです。

マイペースで破天荒な彼女に、団地の主婦達は平和が乱されると向日葵を敵視するように。

しかし、主婦の旦那達は、向日葵にもらった名刺をたよりに、彼女の職場であるキャバクラに行ってしまいます。キャバクラのライターを見つけた主婦達はブチ切れ、向日葵に直談判をします。

しかし、向日葵はキャバクラに来てくれたことを隠すでもなく、堂々とお礼を言うあっけらかんぶり。主婦達は怒り出し、一人は向日葵にこんな言葉を投げつけます。

「こんな母親じゃ大地くんもかわいそうよ！」

ちょうどその時、大地がバイクにひかれてしまいます。意識のない大地に向日葵は駆けつけますが、そこにあらわれたのは、同じ団地で隣の部屋に住む外科医石田でした。石田の助けで大地を病院に運び込み、大地はかすり傷だったことがわかります。

笑いながら帰ってきた向日葵に、団地の主婦は普通自分の子供がけがをしたら、そんなふうにへらへら笑っていられないと苦々しい顔をします。

「涙ひとつもこぼさないなんて最低の母親ね！」

しかし大地はそれを聞いてヒマは泣かないよ、と言うのです。

高校も出ていない向日葵に、働ける場所は夜の仕事しかありませんでした。大地を保育所に預け、お店で客に笑顔をふりまく日々。ろくでもない客にも笑いながら、大地の笑顔を見た時、向日葵の涙がこぼれました。

そんな母を見て、自分の目に涙をためながら泣かせた相手をたたっ切ってやるという大地に、向日葵は大地の前では泣かないと決意します。その話を聞いて、母として頑張っている向日葵に、団地の母親達の怒りが静まっていくのでした。

「キャバママ」１巻のネタバレ

ネタバレです。派手な格好で水商売の向日葵に、相変わらず団地内の母親の目は厳しく、影でヒソヒソ噂する者もいます。

そして、向日葵の店に行った旦那を持つ主婦達は、再び向日葵に直談判をします。そんな中、主婦の中村は、夫に感心された華やかな向日葵と、昔の綺麗な服が体型にあわなくなって夫に大笑いされた自分を引き比べて、向日葵に食ってかかります。

向日葵は、言い分を聞いたあと、皆を職場のキャバクラに連れて行きます。

そこに客として現われたのはなんと中村の夫でした。中村は、店員の格好で夫の様子をうかがいます。中村は、お店の女の子に家族の写真――自分と妻の若い頃の写真を酔うと必ず見せびらかすそうです。

体型にあわなくなっていた写真と同じ服を、ちゃんととっておいてくれたことに、夫は喜びながらも照れています。

ここで向日葵はネタバラしをし、夫は妻が店員のふりをしていた事に驚愕しますが、夫の本音を聞けた中村は、泣きながら夫がキャバクラに来ていたことを許すのでした。

「キャバママ」１巻の感想

明るく行動的なシングルマザーのキャバ嬢とその息子の周りで起こる家族の絆やドラマを描いたハートフルストーリーであるこの作品は、基本どの話もハッピーエンドでまとめられています。

多少主人公の言動が破天荒すぎるため、話によって賛否が分かれてしまうかもしれませんが、スカッと明るいお話をお求めの方、家族を題材にしたコメディが好きな方などにオススメです。

ヒロイン向日葵の周りには、シングルファザーの医者や、向日葵の理解者であるNo１ホストなど、様々な男性がいますが、現時点でいくつものフラグもみえかくれしており、これからラブストーリーがどのように進展していくのか、それも見所のひとつだと思います。