一条和也、17歳、高校2年。自分をそう思っていたのに、悪夢を見た瞬間からすべてがおかしく感じてしまう。いつか見たような光景の夢。自分は親友の山田正己に首を絞められ殺されてしまう・・・。
殺される前の15年前にタイムスリップした和也が、人生をやりなおすため、将来、正己に殺されないために過去をやり直すという、時空を超えた旅が始まります。
「俺が童貞を捨てたら死ぬ件について」1巻のあらすじ
高校2年生の和也は、自分が殺される夢をみた話を親友の正己に話します。選択を間違った結果なのではないかと言われる和也。なにか引っかかるところがありながらもその場をやりすごします。
学校帰りに、ギターを譲ってもらえる約束のミツル先輩のアパートへ寄った和也。出てきたのは、ミツル先輩の彼女であるレイコさんでした。レイコさんと話しているうちに、過去の記憶が蘇り始める和也。
フラッシュバックとなって脳裏に浮かんだのは、自分がレイコさんに童貞を奪われたこと。そしてミツル先輩に殴られ、挙句は正己の手で殺されるという過去だったのです。
「俺が童貞を捨てたら死ぬ件について」1巻のネタバレ
正己に殺されてしまうという過去を思い出したものの、その原因をどうしても思い出せない和也。タイムスリップという現実もよく飲み込めない和也は、SFに詳しいクラスメイト、五月女葉月に相談します。
そして、またひとつ思い出します。レイコさんと関係をもってしばらくして、葉月の家へ行き、半ば強引に葉月を抱いたという過去。
タイムスリップの話に乗ってきた葉月からのアドバイスで、現在の状況を「間違いを正すためのチャンス」と考えた和也。その「間違い」に思い当たるふしがなかった和也は、再び夢をみます。
13年後、大人になった和也は自由に生き、女と遊びまくる日々。正己は名ばかりの小説家でいまだに童貞ということ。しかし、そのことがどうやら殺人にまで繋がっているらしいことだけはわかり、死を避けるためには和也もまた童貞を貫くことが唯一の手段だということがわかったのです。
正己が想いを寄せる吉野梨香は、明るく可愛い人気者です。
しかし、奥手の正己は話しかけることすらできず、それに引き換え和也は普通に会話をしています。次第に疎外感を覚える正己。親友だったはずの和也と正己は、対照的な性格から、次第に溝ができていくのです。
感想
生きていれば、一瞬一瞬が選択で進んでいますよね。その選択のひとつが違っていたら、「今」は存在しない、そう思わせるストーリーですね。
和也は、どうやら少しずつ親友である正己から嫉妬されていたようですね。どのタイミングで、嫉妬が爆発し殺意に切り替わったのでしょう。
「うらやましい」という感情は、「憧れ」にも発展できるし、逆に「殺意」にも進むのですね。
正己がどれだけのコンプレックスを持っていたのか、いつから和也を憎しみの対象として見るようになったのか、とても興味がありますよね。
誰でも、知らないうちに選択ミスで他人の恨みを買うことはあるかもしれません。人生を狂わせる決断をしてしまった和也は、この先何を思い出していくのでしょう。
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