人を殺す事がゲームとなった時に人はどのように対応するのでしょうか?誰がボスで誰かを殺さないと自分が生きていけないという究極のサバイバルゲームの中で人はどう立ち振る舞うのでしょうか。
この人狼ゲームは川上亮さんのホラー小説を原作として小独活さんが漫画化された作品です。謎が謎を呼ぶ展開に引き込まれていきます。
人狼ゲーム1巻のあらすじ
地味目の少女仁科愛梨。彼女はバイトしていた本屋が閉店して落ち込みながら同僚と帰っている途中突然何者かに拉致される。そして意識が戻ると数人の人間が同じように連れてこられ円を描くようなテーブルに座らされていた。
そして突然スピーカーより話しかけられます。全員であるゲームをプレイするように指示されます。集められた人々の困惑を無視するようにルール説明が行われます。そのゲームは「人狼ゲーム」という名前のゲームです。
参加させられた人には全くの拒否権はなく人狼と村人がこの中にいて人狼と呼ばれる2人の人物がいて残りは村人で、人狼は村人を全て殺せば勝ち、村人は人狼を全て殺せば勝ちです。
そしてルールを理解出来えないでいる中、また無視するように明日20時に投票を行うと伝えます。この投票によって票を多数得た者はその場で処刑されると続けます。そしてその処刑はここにいる者で行う事と冷酷に言い放ちます。それぞれ座っていた椅子の裏にそれぞれの身分と部屋番号が書かれたカードがありました。
それぞれの身分を確認して他人の身分を互いに牽制していると、新たなルールの説明が行われます。村人の中には予言者と呼ばれ他の参加者一人の身分を知ることが出来ます。
それは新たな疑念を起こすだけでますます混乱を究めます。その時参加者の一人猪瀬という真面目そうな女子(仁科と同級生)がゲームの辞退を告げると突然首輪が締まり1人目の犠牲者が出てしまいます。
謎が謎を呼ぶ展開に恐怖を覚える
ネタバレです。登場人物は10人です。そして全員が北摂高校です。特徴などをまとめると以下のようになります。
名前 | 特徴など |
仁科愛梨 | 主人公の地味目の美少女 |
多田友広、 | サッカー部に所属していたイケメン |
川崎文隆、 | 眼鏡をかけたインテリ風 |
下林修平 | チャラそうな男 |
井上このみ | 気が強そうな少女。井上真理絵の妹 |
井上真理絵 | おとなしそうな少女 |
稲葉瞳 | ヤンキーのような女性 |
藤木毅 | 坊主頭で暴力的な男 |
町村誠一郎 | オタクのような太った男 |
猪瀬 | 最初の犠牲者 |
互いの身分の探り合い、死への恐怖は混乱を呼びます。川崎は愛梨に近づき自分への協力を呼び掛けます。彼はかなりプライドが高く屈折した性格をしていました。彼は藤木が人狼と推測し彼に投票するように説得をする。
しかし愛梨は拒否すると彼の冷静な態度は豹変し暴力的に呼び掛けます。そして多田も同じように川崎に話を持ち掛けられていました。そして運命の投票が始まります。
感想
小説やゲーム、映画と多方面のメディア展開をしているこの漫画は推理と衝撃が交錯します。どこに真実があるのか読み進めれば進める程謎が深まります。そしてあまり場面を変える事無く人間の汚い部分が鋭く描かれます。お互いを疑い人狼を探る参加者達。緊迫した描写が続くのですが、大きく場面・場所が変わらないのは流石です。
場面を大きく変えない事が逆に緊張感を盛り上げています。このようなサスペンスホラーでは場所を限定して展開させる事は、王道的でもあり日本的という感じでもあります。
じりじりとくるような緊張感が心地よく一気に引き込まれ、次から次へと読み進んでいきます。結果は想像がしづらいので読み進めていき推理するのがこの漫画の楽しみ方でしょう。そしてもう一つ伏線のように繰り広げられる登場人物のサイドストーリーが興味深く、なぜこのメンバーが集められたのかも分かっていくでしょう。
人狼探しとメンバー間の人間関係も分かっていき、このゲームの恐ろしさが分かっていくでしょう。グロイのですがあまりそれを感じさせないストーリーは一見の価値ありです。
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