川を隔てた対岸に向かい合う、男子高の紫陽高と女子高の散華女子学園。散華女子学園の学園長の娘である散華礼弥は、紫陽男子の憧れの的です。
家柄もよく、清楚でつつましく美しい礼弥。しかし、お嬢様はただのお人形ではなかったのでした。
「さんかれあ」1巻のあらすじ
紫陽高に通うチヒロ。
チヒロは誰にも内緒で、夜な夜な廃屋となったホテルに通います。「ある場所」で手に入れた古い書物。そこに書かれた秘術を試すためです。
飼い猫のばーぶを事故で死なせてしまったチヒロは、蘇生術を試みようとしていたのです。元々、ゾンビ好きなチヒロ、半信半疑ながらも試さずにはいられません。
一か所だけどうしても読めない箇所があり、毒草の種類がわからないのです。数日中に成功しなかったらばーぶを埋葬しようと決めていました。
廃屋に毎夜訪れるのはチヒロだけではありません。チヒロたち男子の憧れである礼弥は、日頃のうっぷんを叫びに訪れていたのでした。
お嬢様として生まれ、自由がなく、誕生日ごとに父親に裸体を撮影されていると叫ぶ礼弥。それを聞いていたチヒロに気付く礼弥。
廃屋で知り合ったチヒロと礼弥の不思議な日々が始まります。
「さんかれあ」1巻のネタバレ
毎夜、チヒロの蘇生術を手伝う礼弥。毒薬の1つが判明しないと聞いた礼弥は、崖から紫陽花を摘んで戻ってきます。
自分が死んだらチヒロに蘇らせてもらうと言う礼弥。そのときチヒロは礼弥の抱える真の悩みを知りませんでした。
ふたりで作った薬は成功し、ばーぶは蘇ります。これが奇妙な出来事の始まりだったのです。
お嬢様として生まれ育った礼弥。父親からの愛情は度を越えたものでした。礼弥を自分の所有物として、すべて従わせてきた父に対する反発心は、限界まできていたのでした。
ある日、礼弥がチヒロと共にいることを知った父は、チヒロの去勢をすると言い出します。恐ろしくなった礼弥は、チヒロを助けるため家を飛び出しますが、父との対決の末、蘇生薬に使った紫陽花を摘んだ崖から足を踏み外し、死んでしまったのでした。
しかし、事前にこっそり蘇生薬を飲んでいた礼弥は、瞬く間に蘇るのです。
ゾンビとなった礼弥は、チヒロの部屋に住み着き、時間が経つとともに死後硬直が始まったのでした。礼弥を救いたいチヒロは、次の行動に移るのでした。
感想
蘇生術、本当にそんなものがあって、そんな薬があったなら・・・と思わせてくれますね。自分なら、と主人公と自分を置き換えてしまう場面があります。
大事なペット、大事なひとを失ったとき、嘘であればいいと思う心が、蘇生術というものに引き付けられるのでしょうね。
チヒロの場合は、もともとゾンビが好きだというところが始まりでしたが、ばーぶの蘇生に成功し、礼弥の蘇生にも成功しています。
しかし、まさかの死後硬直という事態。ばーぶには起こらなかったこの現象に、チヒロはどう対処していくのでしょうね。蘇生術を極めてしまうのでしょうか。
謎の多いこの物語、チヒロがどう動くのか楽しみですね。
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