マンガトレジャー

あなたは運命の人を信じますか？人の出会いは分からないもので嫌いであった人が運命の人である可能性もあります。またうまく自分を表現できない思いを伝えられないなど青春はそのようなものかもしれません。

そんな甘酸っぱいストーリーは宮坂香帆さんの「あかいいと」です。切なくもどかしいそんな「あかいいと」を紹介します。

あかいいとのあらすじ

橘千紘は南中の剣道部のマネージャーです。彼女には好きな人がいます。それは南條というイケメンの剣道部主将です。しかし千紘は不器用な上にうまく表情を作れない為に想いを伝える事が出来ません。もう一人のマネージャー桜木莉乃はおとなしく可愛い為により一層そのSキャラが際立っていました。

二人でいつもの定食屋に行くと北中の剣道部比名瀬祥というチャライ男が千紘に話しかけます。彼は南條のライバルと言い「南條に合同練習が楽しみだ」と伝えてくれと話しました。

その時の悪印象が尾を引いたまま北中との合同練習は始まりますが、南條は都合で欠席しました。その事で二人は揉めと更に悪印象は深くなるのですが、なぜか比名瀬の事が千紘は気になります。しかし南條への想いは残ったまま、最後の大会が始まりました。

すれ違いと想いの結末は？

ネタバレです。この漫画は思春期特有のすれ違う想いから物語が始まります。千紘は南條の事を好きでいるのですが、その内気な性格から想いを抱え込んでしまいます。そんな時に比名瀬と最悪の出会いが訪れます。

しかしそれが物語の始まりになります。同じ中学の同級生南條と剣道のライバル校南中の比名瀬との間で心が揺れ動きます。そして南條と同じ高校に通う事を夢見るのですが、現実は自分の学力以上の高校と知り諦めます。剣道大会では絡まれた千紘を助け更にケガをして北中に負けてしまう比名瀬の涙に心揺れる千紘。

そして新たな高校を莉乃と一緒に受けるのですが、その高校には南中の比名瀬と桐谷も受験していました。その受験の日にも比名瀬との最悪のシチュエーションが待っています。しかし徐々に比名瀬を意識し始める千紘。そしてもう一つの恋の物語がありました。桐谷と莉乃の物語です。こちらも互いに魅かれながらもうまく想いが伝わっていきません。

そして新しい高校生活も波乱含みで始まります。せっかく比名瀬と隣同士になったのにうまく事が運ばずに二人の距離は離れてしまいます。

まとめと感想

この漫画は思春期の感情のもつれが物語を支えます。4人の恋模様が流れます。千紘と莉乃という対照的な性格の二人がコミカルに描かれます。千紘はＳッ気のある女王様キャラとして認知され、下級生もそのような目で見ています。

憧れの南條にも見られている事に素直になりきりません。裁縫も出来て女子力も高いのに中々理解されない千紘の感情が物語をおもしろくしてくれます。

またセリフも女子が好きそうな言葉が並んでいます。比名瀬の「南條はナシ」「俺にしとけよ」という言葉は特に女子の心を掴みそうです。シチュエーションも少し男慣れしていない千紘に顔をさらっと近づけるシーンなど、胸キュンの場面です。

お互い意識しているのにうまく事が運べないもどかしさと、思春期特有の感情の動きなどぜひ現役学生だけでなく元学生の方にも読んで欲しい爽やかストーリーです。この時はこうすればとかこっちがいいなどやきもきしながら楽しむとより一層漫画の世界観に浸れそうです。