悪魔と対抗する力を持った祓魔師《エクソシスト》と、悪魔達の戦いを描いた「青の祓魔師」は、アニメ化や舞台化もした大人気漫画です。
奥村燐は、悪魔と戦う祓魔師の塾を擁する正十字学園の新入生。実は彼は、悪魔の神である魔神《サタン》の息子だったのです。
自らの血と戦い、悪魔と対峙する彼は、辛い生い立ちを乗り越えて友情や恋を見つけていきます。
漫画「青の祓魔師」1巻のあらすじ
奥村燐は、喧嘩に明け暮れる無職の少年。親のない彼は、双子の弟の雪男と共に修道院に暮らしています。雪男は、名門高校の正十字学園に入学が決まっていますが、燐はまともではない自分に自信がなく、ふらふらしています。しかし、周りの励ましで料亭に面接に行くことになりました。
面接に向かう途中、燐はおかしなものをみてしまいます。黒い虫のようなものが人々の間に飛び交っていますが、誰も気づいた様子はありません。
その時、燐が昨日喧嘩をした相手の男が現われましたが、燐の目からは尻尾と角があり、虫にたかられているように見えてしまいます。
男は、鳩を殺していたところを見ていた燐を口止めし、燐はしゃべらないとさっさと帰ろうとしますが、男は燐と雪男を侮辱します。
雪男を馬鹿にしたことに激高した燐は男を殴りますが、男は常軌を逸した様子で燐にナイフを突きつけます。その時、燐の体から炎が吹き出ました。戸惑う燐ですが、男は青い炎は正真正銘の魔神の炎だといい、燐をサタンの息子だと言います。
そこに現われたのは、育ての親の藤本神父でした。彼は男の悪魔を祓い、燐に隠れるように言います。俺はなんだという燐の問いに、藤本神父は答えます。「悪魔の子供だ」「魔神の落胤だ」と。
藤本神父は燐の力を封印している降魔剣を燐に渡し、神父の友人に保護を頼むよう言いますが、燐は捨てられたように感じて、素直に従うことが出来ません。
その時、藤本神父を異変が襲います。魔神に取り憑かれた神父の口からは、サタンの声が聞こえてきました。人間世界を手に入れるために燐が必要だと、自分の元へ来るように言うサタンから燐は逃れることが出来ません。
地獄への門は開かれ、今にも連れて行かれようとしたとき、藤本神父はサタンの干渉を断ち切るため、自らを刺しました。しかし、門は一度食らいついた者を放しません。
燐は、剣を抜いて自分の封印を解き、取り戻した悪魔の力で門を破壊しました。
藤本神父の葬式の日、燐は神父の友人に連絡をとります。現われたのは祓魔師のメフィスト・フェレス。燐は祓魔師になり、サタンをぶん殴る事をメフィスト・フェレスに宣言するのでした。
漫画「青の祓魔師」1巻のネタバレ
ネタバレです。祓魔師になるために正十字学園に入学した燐ですが、一緒に入学した雪男は、すでに祓魔師として講師になるほどの実力と知識を備えていました。悪魔薬学の天才だといわれる雪男に、燐は知らなかったとショックを受けます。
雪男に問いただすと、七歳の頃から訓練をはじめ、二年前に祓魔師になったと淡々と雪男は説明します。生まれた時に燐から魔障(悪魔から受ける傷や病)を受けた雪男は、物心つく前から悪魔がずっと見えていたと言います。
何も言わなかった雪男に対して燐は怒りますが、雪男はなぜ燐が祓魔師になったかと問い返します。
育ての親、藤本神父の罪滅ぼしのためなら祓魔師の本部に出頭するか、いっそ死んでくれと言う雪男。彼は、神父が燐のせいで死んだというわだかまりを持っていたのでした。
しかし、神父は自分を守って死んだ、強くなりたい、自分のせいで誰かが死ぬのはもう嫌だという燐の言葉に、雪男は自分と同じだと笑顔を見せます。
雪男は幼い頃、神父に「強くなって人や兄さんを守りたくないか…?」と言われていたのです。父に代わって兄を守る。この思いを胸に、雪男は祓魔師として兄と共に戦っていきます。
漫画「青の祓魔師」1巻の感想
「青の祓魔師」は、王道にしてツボを押さえた少年漫画展開が詰め込まれた学園漫画です。祓魔師を目指す燐は、悪魔の神であるサタンの息子です。
この物語は、やんちゃで喧嘩ばかりしている燐が、育ての父親の死と共に自分の正体を知り、双子の弟と共に悪魔と戦う祓魔師を目指して心も体も成長していく、ビルドゥングスロマンでもあります。
随所に織り込まれた騎士団、竜騎士《ドラグーン》、虚無界《ゲヘナ》などの単語と、悪魔と人間が対立し、人外の生き物がはびこる世界観は、少年心がくすぐられることうけあい。キャラクターも魅力的ですので、お気に入りのキャラの活躍を楽しみに読むのもいいかもしれません。
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