野球部所属の山田大介と、内気な吹奏楽部の少女、小野つばさ。彼らの夢は、甲子園へ行く事と、甲子園のスタンドで吹奏楽部のトランペット奏者として野球部を応援する事。
実写映画化もした「青空エール」は、夢に向かって頑張る少年少女達の、青春の輝きと初々しさがキラキラつまっているような、さわやかなラブストーリーです。
「青空エール」1巻のあらすじ
小野つばさは、うつむいていつも靴を見ているような内気な少女。甲子園で選手を応援する吹奏楽部を幼い頃テレビで見て、ずっと憧れていた名門吹奏楽部のある白翔高校の入学します。
吹奏楽部のトロフィーの多さに怖じ気づいていた時、彼女はひとりの男子生徒に出会いました。体格が良い彼につばさは萎縮しますが、満面の笑みを向けられて驚きます。偶然同じクラスになった彼は、山田大介という野球部員でした。
気さくで人なつっこい大介と、つばさは仲良くなっていき、つばさには陽万里という友達も出来ました。
そして、つばさは念願の吹奏楽部へ入部します。希望はトランペットでしたが、初心者のつばさは、風船を渡され、これをふくらませることができるようになってから入部届を出すように言われます。
肺活量がないため、風船をふくらませられないつばさは落ち込みますが、陽万里のアドバイスもあり、ランニングと腹筋を鍛えてふくらませようと努力します。
なかなか思うようにいかなくて、落ち込みそうになるつばさを励ましたのは、大介でした。つばさが甲子園で吹奏楽部が応援をしていた思い出と、自分もそうなりたいという夢を話すと、大介はリアルにその情景が見えたとつばさを元気づけます。
大介の励ましとつばさの努力の甲斐あって、つばさは風船をふくらませることに成功。入部届を出す事が出来ました。ずっと靴ばかり見ていたつばさは、大介が信じてくれたから上を見る事が出来た、と見上げた青空を見ながら思うのです。
「青空エール」1巻のネタバレ
ネタバレです。吹奏楽部に入ったつばさは、予想以上の体育会系ぶりに戸惑い気味ですが、前向きに頑張ろうとしていました。
しかし、同じトランペットの1年水島から、部活を辞めるように言われてしまいます。みんな本気で全国トップを狙っているから、気持ちだけじゃ初心者には無理だと言われ、つばさは落ち込みます。しかし大介の励ましで、つばさは結果が出なくてもがんばっていいんだと、自分の存在意義を見いだします。
うまく音も出せないつばさですが、水島と徐々に話せるようになり、吹奏楽部の先輩とも仲良くなっていきます。
そんな中、つばさは大介が体を痛めているのを知ってしまいます。辛さを抱えているのに笑って励ましてくれていた大介に、つばさは大介が自分に悩みや弱音を言ってくれるくらい強くなろうと決心します。
しかし、後日つばさは大介の友人の城戸に、ひとりだけ下手だけど、ずっと頑張っているつばさのトランペットの音を聞くと励まされる、つばさは強いと大介が言っていた事を教えます。
つばさは、大介が自分の中にあるという強さを信じて頑張ろうと、大介を見ながら泣き笑います。
後に、城戸を介した会話で、大介に(特別な関係でなく)つばさとの仲はふつうだと言われてへこみますが、ずっと逃げてあきらめてきたことを、大介が信じてくれたから頑張ってこられた、つばさはそれを実感して、大介くんが何を思ってても、自分がはげまされたり、力をもらってる事にかわりはないので、これからもふつうでよろしくお願いします、と大介に言います。
そんなつばさに大介は、推薦をもらったけど自分の実力に不安だった事を告白し、つばさと知り合って、不安なのは自分だけじゃなく、自分の夢を信じる事が出来たと言います。「特別だよ」と告げられたつばさの恋は始まったばかりです。
「青空エール」1巻の感想
夢に向かって頑張る少年少女達の、純粋さと真っ直ぐさがまぶしく、引き込まれるように読んでしまいました。
ヒロインのつばさは、全くのトランペット初心者ですが、吹奏楽の名門白翔に夢のままに突き進んでいきます。当然周りとのレベルの違いを突きつけられるのですが、つばさは努力し続け、徐々に自分の居場所を得ていきます。
内気で落ち込むつばさを励まし、勇気づける大介が、本当に格好いいです。努力している自分をちゃんと見てくれて、こんなに親身に励まされたら、好きになるしかありません。
少女漫画では今や珍しくなってしまったかもしれない、夢に向かって不器用に一途に頑張る少年少女達のラブストーリーは、太鼓判の面白さです。
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