眠らない街、新宿歌舞伎町で生きていくことを決めたタツヒコ。しかしそれは、深い闇の中で生きていくと決めたことでもありました。
一度踏み込んだら抜け出せない闇の世界で、タツヒコはどう生き抜いていくのでしょう。
「新宿スワン」2巻のあらすじ
ホストに入れあげ、500万もの借金を背負いタツヒコにスカウトされた女マイ。マイに同情し、必ず返すという約束で、タツヒコは50万円をマイに貸します。
当然のように逃げてしまったマイ。
不幸な女を作りたくないという思いは、見事に打ち砕かれてしまいます。スカウトした女たちを信用し、管理してきたつもりだったタツヒコに、裕香は「タツヒコの管理は優しさだけだ」と言い放つのでした。
時には厳しく接することが大事だと教えられ、女は弱く、守るものと思って生きてきたタツヒコは裏社会の難しさを知るのでした。
「新宿スワン」2巻のネタバレ
マイへお金を渡したことで、アパートを追い出されたタツヒコは、勤めているバーストの寮へ入ることにします。月2万の家賃の部屋は、薄汚ないものでしたが、同室で同い年の洋介とは気が合いそうです。
もうひとりの同室の男、南ヒデヨシは、挨拶代わりに殴りかかってくるような男でしたが、どうやら以前からタツヒコを知っているような素振りです。しかし、タツヒコは全く覚えがないのでした。
洋介は上司の葉山を、タツヒコは真虎を信頼し尊敬し、どこまでもついていこうと心に決めている二人。
しかし、ハーレムを吸収して大きくなったはずのバーストは、結局幹部を含めても社員が35人しか残っていない状態。焦る社長の山城は、20人スカウトしてきたら無条件で幹部にすると社員たちに告げます。
勇んでスカウトに励む社員ですが、なかなか簡単にいくはずもありません。そんな中、1日で12人ものスカウトに成功したタツヒコ。しかし、寝ている間にヒデヨシはそれらの連絡先を盗み、携帯の連絡先を全て消去してしまうのでした。
タツヒコがヒデヨシに怒りを爆発させているころ、バーストではヒデヨシがクスリを売りさばいていることが判明し、大騒ぎになっていたのでした。
本来なら、タツヒコから盗んだ女たちを合わせると20人になり、バーストの幹部に昇進するはずだったヒデヨシ。クスリを渡す現場を関にみつかり、女を置いて逃げたのでした。
感想
愚かで気の毒な女たちのオンパレード、そこに付け込む闇の男たち。でも、タツヒコは、女たちの幸せを願いながら仕事をしているあたりが憎めないですよね。
誰にも相手にされないような女でも、なんとか仕事をみつけてやり感謝されたときは、本当に嬉しそうです。一度踏み込んだら抜けられない世界なだけに、自分を奮い立たせながら日々を送るタツヒコには、どうか優しい心だけは忘れないでいてほしいと思います。
その優しさゆえにお金を持ち逃げされたりしていますが、きっと信頼できる仲間や女たちと巡り合える日も来るのではないでしょうか。
闇の世界の一筋の光になってほしいと思ってしまいます。
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