新宿歌舞伎町。夜も眠らない街には様々な人間模様が夜ごと繰り広げられています。人並みに夢を持って上京してきた白鳥タツヒコもそのひとり。
19歳で既に夢も希望も無くし、新宿の街に身を寄せます。ケンカに巻き込まれたタツヒコの前に、人生を変える男が現れるのでした。
「新宿スワン」1巻のあらすじ
夢も希望も、1円のお金すら無いタツヒコの前に現れた真虎という一人の男。真虎は、目の前の19歳の少年が、何故か可愛く思え、食事を奢るのです。
真虎は、スカウトの仕事をしているとタツヒコに説明します。芸能事務所のスカウトマンかと思いきや、水商売・AV・風俗のスカウトマンでした。
闇の商売に誘われたタツヒコは、食事をさせてもらった手前断るに断れず、闇という部分に暗い憧れを抱き、真虎についていくのでした。
いざやってみると、なかなか声のかけ方もうまくいかないタツヒコ。それでもなんとか一人スカウトします。スカウトした女の稼ぎは、そのまま自分への収入と繋がることに、この世界の善悪より、強く生きる道を選び、スカウトマンとして歩み始めます。
「新宿スワン」1巻のネタバレ
スカウトを初めて1週間。その間にスカウトした女の子たちは、キャバクラをただのバイト程度にしか思わず、風俗でさえ、稼げるいいお店と言うことに対し、タツヒコは驚きを隠せません。
純粋な愛やひたむきな努力という綺麗な言葉からかけ離れた仕事であり世界であることを認識するのです。そして、一度この世界に足を踏み入れた女の行く末も、闇に落ちていくだけなことを知るのでした。
ある夜、タツヒコがスカウトしてきた美形の藤崎裕香という女性、店へ連れていくと大騒ぎです。
esという超VIPな店のナンバーワン藤崎セリナだったのです。即入店が決まった裕香を駅まで送る途中、裕香が元勤めていた「ハーレム」のスカウトに出くわします。
勝手に店を辞めたことに激怒するその男は、裕香に殴りかかり、止めに入ったタツヒコはそのままボコボコにされるのでした。
その一件は、「ハーレム」とタツヒコの勤める「バースト」との間に火種を落とすこととなりました。幹部は招集をかけられ、タツヒコと幹部の関のふたりはハーレムのスカウトの元へ行き、またボコボコにされ戻ってくるのでした。
しかしそれは、正面切ってハーレムを叩くための布石だったのです。
「ハーレム」の乗っ取りに成功した「バースト」。しかし、闇の世界の汚さも同時に身に染みたタツヒコでした。
感想
新宿歌舞伎町と聞くと、やはり夜のイメージがつよいですよね。ごく普通の夢を持って上京してきたはずなのに、闇のスカウト業に足を踏み入れたタツヒコ。
男も女も、一度闇に落ちたら、這い上がるのはなかなか難しいですよね。闇で生きていこうと決めたタツヒコの考えが正しいのか間違っているのかは別として、闇の世界に光を求めながら生きようとするタツヒコの姿には、応援したくなりますね。
女をお金としか見ない世界で、タツヒコは純粋な心を失っていってしまうのでしょうか。タツヒコを可愛がる真虎の手で、タツヒコはこれから成長していくはずです。
19歳のタツヒコが、新宿歌舞伎町でどんな大人へと変貌していくのか楽しみです。
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