海の才能に目を見張る阿字野は、レッスンを受ける気は無いという海に対し、ますます興味を持ちます。
そして、クラシックと巡り合った海のピアノの世界は、どんどん広がっていくのです。
楽譜を一切読めない海は、ひたすら耳で聞き取り、曲を自分のものにしていくのでした。その才能を開花させたい阿字野の取る行動とは・・・
「ピアノの森」3巻のあらすじ
音楽室で、阿字野にショパンの「子犬のワルツ」を聴かせてもらった海は、すっかりショパンの虜になります。そして阿字野もまた、自分が誰かのために演奏しているということに、自分自身驚くのでした。
森へと戻り、耳にした数々のクラシック曲を弾く海。しかし、なぜかショパンだけ弾くことができません。森のピアノは、特注品で鍵盤が重く、いつのまにかついてしまった癖で、ショパンだけはなぜか音が出ないのです。
弾けない曲と、初めて接してしまった海。ただ茫然とピアノを見つめるのでした。
「ピアノの森」3巻のネタバレ
ショパンは、筋力だけでは弾くことができないと阿字野が言っていたことを思い出した海。しかし、ピアノを教わる気は無いと言い捨てて帰ってきたことから、海は行き詰ってしまったのでした。
意地を張る海に、母と同じ店で働く亜理沙は、弾きたいのなら教えてもらえばいいと、背中を押すのです。
阿字野に、ショパンを教えてほしいと思い切って頼んだ海。阿字野はピアノからも自分からも逃げないと約束させることで、引き受けたのでした。
しかし、その様子を物陰から見ていた修平は、内心穏やかではありません。誰からも教わりたくないと言っていた海、誰にも教える気が無いと言っていた阿字野。二人の会話は、どんどん修平を惨めにしていきます。
そして修平は、コンクールに向け、海から距離を置くようになったのでした。
阿字野は、音階の練習曲を海に課します。レッスンというものをしたことがない海にとっては、苦痛以外の何物でもありません。しかし、この課題にOKが出るまで、森のピアノに触ることも禁じられているため、ひたすら練習する海。
そして、普通のピアノで自分の音が出せるようになった海。阿字野に言われ弾いてみると、綺麗なショパンを弾きこなすことができていたのでした。
阿字野に、全日本学生コンクール出場をすすめられた海。修平が出場するコンクールです。果たして海はどうするのでしょう。
感想
がむしゃらに、自分の好きなようにピアノと接してきた海が、遂に本格的指導を受け始めましたね。しかも、指導者は、かつて一流ピアニストだった阿字野。阿字野もまた、後身の指導という道を見つけたのかもしれませんね。
海と阿字野を見て、やりきれない思いの修平は、思いのすべてをコンクールにぶつけようとしています。コンクールで優勝することだけを目標とし、ひたすらピアノに向かう修平。
海が阿字野に、同じコンクール出場を誘われていることをまだ知らない修平。これを知ったとき、修平はどう思うのでしょう。そして、ふたりの友情は、どう変化してしまうのでしょうか。
転校して、初めてできた友達である海とライバルになりつつある修平ですね。ピアノが、二人を引き裂こうとしているようですが、決裂してしまわないよう願うばかりです。
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