祖母の病気のため、東京から田舎へと一時的に転校してきた、小学5年生の雨宮修平。
都会とは違う子供たちの雰囲気に戸惑います。
都会の子供では当たり前だった、ピアノの習い事も、田舎ではからかわれる材料にしかなりません。
下品で野蛮な同級生に囲まれ、修平の学校生活は前途多難なものになりそうです。
「ピアノの森」1巻のあらすじ
将来はピアニストを目指す修平に、クラスのガキ大将の金平大学は早速目を付けます。男がピアノをやっているというだけで、からかい、いじめるのには格好の材料になってしまったのです。
金平にからかわれているところに助け船を出したのは、一ノ瀬海というクラスメイトでした。
クラスメイトたちが、森にある壊れたピアノが夜になるとひとりでに鳴り出すという話をしていたことに興味をもつ修平。海は、そのピアノは自分の物で、自分はそのピアノの音が出せるというのです。
音楽室でピアノを弾いていた阿字野先生。そばで聴いていた海は、音のミスや、テンポのずれを指摘します。数回しか聴かせたことのない曲に対して、ここまで聴き分ける能力に、阿字野は驚くのでした。
「ピアノの森」1巻のネタバレ
クラスメイトのいじめに、学校へ行くことが嫌になった修平。海に誘われ、森にあるピアノを見に行きます。森の奥深くにそのピアノはありました。
修平が鍵盤をいくら叩いても音は出ないのに、海は昨日阿字野が弾いていた曲を目の前で弾くのでした。ピアノを一切習ったことのない海のピアノの音色に聴き惚れる修平です。
ある日ひとりでピアノのもとへ足を運んだ修平、やはりいくら弾いても音は出ません。木の上でその様子を見ていた海は、自分の家へと修平を連れていきます。
海の母親は、クラスメイトから淫売とからかわれているのを知っていた修平は、会うまでドキドキしていたものの、予想とは全く違う、とても明るく優しそうなお母さんだったのでした。
海を自分の家に招待した修平は、自分のピアノを海に弾かせますが、森のピアノの時とは違い、めちゃくちゃなものでした。騒音としか思えない叩き方に、耳を押さえる修平とその家族。
しかし、修平の祖母だけは、その騒音がラジオ体操の曲をジャズ風にアレンジしたものだと聴き分けたのでした。そして海は、調律師でもなかなか聴き分けられない音のズレを、いとも簡単に指摘して帰っていったのでした。
感想
森に置いてある一台のピアノ・・・とても素敵ですね。しかも、そのピアノは、一人の少年しか奏でられないなんて、とてもロマンチックです。ピアノを習ったこともない、田舎に住む驚異の耳を持った少年、海。
英才教育を受けたわけでもないこの能力に、ピアニストの子供として生まれてきた修平は、憧れの気持ちを抱くのは当然なのでしょうね。
しかも、都会のお坊ちゃんである修平を、唯一認めてくれる海。ピアノが、二人の心を近づけてくれているようです。
阿字野は、元ピアニストのようですから、海の能力には興味を持っているようです。この先、どう接していくのでしょう。何故、海だけが森のピアノを奏でられるのでしょう。
とても楽しみな展開です。
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