愛する人や自分に起きた災難に対してどのような行動をとれるのでしょう。憤りと怒りはあるのですが何も出来ないのが本音ではないでしょうか。そんな時に復讐代行をしてくれる人がいたらどうでしょう。
自分の思いをぶつけてくれるようなそんな人達がいたら少しは気が晴れるのかもしれません。そんな気持ちを分かってくれるような漫画「善悪の屑」。少し衝撃的すぎますが一見の価値があります。
善悪の屑のあらすじ
カモメ古書店にいるカモとトラは古書店を営む傍ら晴れせぬ恨みを晴らす復讐屋です。二人は依頼人の思いを受け復讐するというスタイルです。無論誰に対しても復讐するという訳でもなく、法で裁かれない(未成年や法に守られた人)悪人を徹底的に成敗します。
そのカモメ古書店にある女性が現れます。彼女は給料3ヵ月分を報酬に復讐を以来します。彼女の事情は数年前に宅配便の男に犯されてしまいます。その手口は残忍で彼女の生まれた子供を窓から落とし、そして犯すという非人道的な行為に出るのですが彼は未成年の為に罪に問われる事もなく普通に働き仕事をしています。二人は憤りと怒りで復讐代行を決意します。
衝撃の展開に驚きを隠せない
ネタバレです。カモは鴨ノ目武といい強面の顔と坊主頭が特徴でその風貌とは別に冷静な行動が特徴です。それには理由があり家族が惨殺された過去がありその事に触れられると理性を失います。もう一人トラは島田虎信で、長髪と関西弁が特徴で少し短絡的に行動しますが正義感は人一倍強いです。
そして一話目の顛末ですが男を拉致しあまりにグロテスクなので詳細は避けますが、とても怖い仕打ちが待っていました。そしてその復讐を見ていた女性が男に問いかけ彼は後悔していると話し彼女は満足します。しかしその後カモは「抵抗できない赤ん坊を殺したのに生きて帰れると思っているの」と言い放つとボロボロの体の男を吊るし放置します。
この一巻には他にもいじめにより自殺した生徒や強姦された女子高校生、ウサギを殺された小学生が描かれています。
まとめと感想
この漫画は渡邊ダイスケさんの作品になります。この漫画の特徴は実際に起きた事件をベースに作られています。一巻では光市母子殺人事件と女子高生コンクリート殺人事件、大津市中二イジメ自殺事件、ウサギ蹴り殺し事件が収録されています。どの事件も衝撃と憤りを覚えない事件です。事件の詳細が語られるたびに怒りを覚えます。もしかしたら渡邊さんも同じような気持ちを持ちこのような残忍な復讐法を描いたのかもしれません。
とにかくこの漫画で描かれる犯罪者には強い嫌悪感を持ちます。そしてその後の復讐に気が晴れた感じもします。これには異論は当然あると思われますが憤りを漫画とはいえ晴らしてくれているのです。やり方は残酷ですがこれぐらいはと思ってしまいます。
ここまでしないといけないと思わせるような非道な行為をこれでもかと描くために、かなり衝撃を覚えます。しかし犯罪に対する嫌悪感を淡々と描く中でもカモの静かな正義感と悪を許さない気持ちが伝わるような迫力があります。表紙にもダークな何もも許さないという雰囲気があります。
この後も非道な犯罪者達が出てきますが、それを徹底的に叩きのめす二人の活躍には少し善と悪の本質を考えてしまいます。
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