社会人にも恋の悩みというのは色々。
結婚、口べた、処女、引っ込み思案……大人になったからこそ、うまくいかない恋の悩みを抱えて頑張る社会人女子達の、オムニバスラブストーリーをどうぞお楽しみください。
「惚れない花嫁」のあらすじ
真鍋は、結婚を考えて2年半同棲していた彼氏と別れたばかり。泥酔して会社の飲み会でクダをまいたあげく、気がつけば上司の美嶋とホテルで事後の状態でした。
酔って飲まれた自分が悪いと覚悟を決め、真鍋はゆうべの事を忘れようと美嶋に持ちかけますが、なぜか美嶋に「その目にホレた」とプロポーズされ、流れで婚約する事になります。
我に返り、急すぎる展開に美嶋にわけを聞くと、恋愛におぼれて面倒な女達に悩まされてきた美嶋は、全く自分を好いていない真鍋のクールなまなざしと、男を頼らない自立心、そして自分と寝て正気でいられた女は初めてという理由が、理想的だったと言います。
今日からウチに住めと言う美嶋に合い鍵を渡され、真鍋は流されるままマンションに行ってしまいます。
綺麗すぎる高級マンションに、そぐわないモコモコクッションに真鍋は女の影を感じて、やはり結婚をはっきり断ろうと決意します。
真鍋は資産状況、健康状態、身体能力など思いつくままの不利な条件を美嶋にさらし、あきらめるように画策しますが、逆に見通しのシビアさが見込んだとおりだと気に入られてしまいます。
そしてトントン拍子に進んでいく式の準備に焦り、真鍋は無茶ぶりをして美嶋に考え直させようとしますが、どれもこれもうまくいかず、逆に美嶋の格好良さを再確認する結果になってしまいます。
もう流されようかと思い始める真鍋でしたが、入籍と同時にスピード離婚になるような美嶋に、いっそのこと両親に嫌われてしまえば……と挨拶に行く事を申し出ます。しかし、両親の話が出た時の重苦しい雰囲気に、真鍋は美嶋の両親が他界したと勘違いしてしまいます。そんな真鍋を可愛いと笑って抱きしめる美嶋。
すっかり美嶋にこころが傾いた真鍋ですが、恋に溺れた女は嫌いだという美嶋の言葉を思い出して、平静に、美嶋を好きな事がバレないように振る舞おうとしますが、負担は大きく美嶋と別れようと婚約の解消を申し出ます。
涙を流す真鍋を無表情に見つめる美嶋。果たして美嶋の真意は? 美嶋に惚れたら、本当に嫌われてしまうのでしょうか――?
「惚れない花嫁」のネタバレ
ネタバレです。結婚式場もキャンセルした真鍋でしたが、美嶋から、両親がイタリアに住んでいるのでイタリアで挙式を考えてくれないかという申し出を受けます。
「ああ言った手前バツが悪くて黙っていたが お前のその目にホレ直した」
そう言いながら、美嶋は真鍋を抱きしめます。そしてオチには、美嶋と似ても似つかない関西系のノリの美嶋の両親が登場し、明るい未来を予想させる終わりになっています。
他にも、イケメンの超エリートだけど、はっきり物を言うせいでトラブルメーカーの上司と、物腰柔らかでフォローのうまいOLとの、溺愛クーデレ恋愛。
頼れる童顔兄貴系の先輩と、想定外の物事に弱い処女OLとの、空回りマニュアル恋愛。
気が利いてかわいい系、しかし女の子みんなに優しすぎる同僚と、体育会系ヤキモチ焼きOLのデコピン調教恋愛。
などなど、一風変わった、しかし共感度大のラブストーリーがあります。オフィスを舞台にした彼女たちの恋の結末を、どうぞその目でお確かめください。
「惚れない花嫁」の感想
社会人になったからといって、恋がうまくなるわけでもなく、そこには大人ならではの様々な悩みが発生してきます。この「惚れない花嫁」は、そんな社会人の女性達を主人公にした短編ラブストーリー集です。
表題の「惚れない花嫁」は、結婚を前提にした付き合いが破綻した真鍋が、美嶋の思いがけないプロポーズと、彼の妙なこだわりに戸惑いながらも幸せをつかむまでが描かれています。いわゆる現代版シンデレラストーリーですが、社会人女性が陥りそうな恋愛の経験談や失敗談も描かれ、共感しながら読む方も多いのではないでしょうか。
読後感もよく、さっくりと読めてしまうので、隙間時間や通勤時間などに読むのもオススメです。
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