大事な人を失くすと人はどのような態度をとるのでしょうか?泣き崩れ取り乱し感情をあらわにするのでしょうか。また感情を押し殺しずっと耐えるのでしょうか。今回「風夏」では秋月風夏が突然死んでしまいました。優はどのように立ち振る舞ったのでしょうか。
風夏5巻はどのような話になるのでしょうか?
「風夏」5巻のあらすじ
風夏は突然の事故により死んでしまいます。その事を受け止めきれない優は漠然と一日を過ごしていました。ある公園で充電の切れた携帯電話を握りしめ来ない風夏を待っていました。
一方風夏の葬式会場では三笠・沙羅・那智のバンドのメンバーが苛立ち・戸惑いながら優を待ち続けていました。自分の彼女の葬式に来ない事に怒りをぶつける那智、そして状況を飲み込めない三笠、親友を失くした事にただ悲しみにくれる沙羅と三者三様の情景がありました。
結局優は葬式にもいかず公園で来ないはずの優夏を待ち続け自宅に帰りました。そして部屋に戻った彼は自分の感情に対して戸惑い・困惑していました。その後学校にも行かず荒んだ生活を送っていました。街で不良達と喧嘩をしてそこで殴られ倒されてしまいます。
そこに三笠が現れ傷だらけの優を抱きしめ、自分も同様に風夏の事を受け止められないと伝えどうしていいか分からないと話します。しかし優は三笠以上に戸惑いと困惑の中で悩み続けていました。
大事な人がいなくなった後は?
ネタバレです。風夏がいなくなりメンバー達もどう対応していいのか分からないまま過ごしていきます。そして優は喪失感に捉われ自暴自棄になっていました。そして似合わないケンカをするなど優らしくない行動を繰り返します。
三笠も「毎日がすごく苦しい どうしていいのか全然わかない」と優に話しますが優も同様で「もうこの世界のどこにも キミはいないんだって」と呟きます。
そして学校に友美先生に呼び出され風夏の遺品のおそろいのストラップを渡されます。そして彼女がいるはずの場所に向かいますが、そこには当然彼女はいません。「合いたいよお 風夏」と優の叫びが雨の中に響き渡ります。
そんな時ヘッジホッグスのベースニコが自分のベースを取りに優を訪ねます。そして風夏の死を受け入れられない優に「お前バンドに向いてないよ」とはっきり言い放ちます。
そして自分のベースをニコにとられます。呆然と立ちつくし現実を認める事も出来ずに立ちつくします。そして携帯の電源を入れると風夏の留守電が残っていました。そして走り出す優。一方、他のメンバー達は自分たちのバンドへ別れを告げるべく集まり、他のバンドに移り音楽を続ける事も考えていないようでした。
走り出した優の向かった先はニコにとられたベースを取り戻しに走っていたのでした。そして走る優の頭の中には留守電の会話が流れていました。風夏は事故の前の日に夢を見ていて自分たちのバンドが武道館でライブをしている夢でした。その言葉に突き動かされ優はニコの元へと走っていきます。
感想
今回の5巻は衝撃でした。4巻で主役の風夏が亡くなるという展開は実際ネット上でも賛否両論でした。しかしこの展開がありバンドがバラバラになりまた元に戻っていく上に結束が今以上に固まります。また優がニコが出てきて突き放した事で本気度が上がるという展開は予想外でした。
主人公が亡くなり展開をどのように持っていくかは1つ間違えると全く違う話へとなるのにニコを登場させる事により、流れを途切れさせないように新たな展開を作っていく手法は面白く、風夏の死が後半ではあまり気にならなくなっていきます。
それよりはバンドとしての展開と優のバンドでの新しい役割などこの巻では第一部の終了といった感じもします。ニコが出てきて風夏の死を乗り越え新曲を作ります。そしてバンドとしての再出発がこの曲からとなります。
那智は大学の推薦を蹴り、他のメンバーは高校を辞めてバンドにかけるという究極の状況は次にどのように展開するのでしょう。
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