伏木と雪村、世代を超えたつながりが明かされます。
そして、竹之内と雪村の因縁も明らかになります。
何十年と時を過ごしながら、不老不死として同じ姿であり続けるオキナガ達。彼らの胸に去来する思いは――?
「白暮のクロニクル」2巻のあらすじ
伏木は、雪村が自分の血で死にかけの鳴宮をオキナガにしようとしたことについて、強い衝撃を受け、夢にまでみるようになってしまいます。また、雪村は、新しい羊殺しが行われるまで、後半年しかないと焦りをみせます。
伏木は雪村の連絡係として、ほどほどにうまくやっていましたが、面倒な性格の雪村を相手にして、疲れを隠せません。久保園は、以前の担当者達がストレスで脱落したことを踏まえて、気分転換を兼ねて伏木に外勤の通常業務を経験させることにします。
外勤とは、定期検診に行かなかったオキナガの家を訪問し、検診をうながすというもの。伏木はそこで出会ったオキナガの巻上から過去の竹之内と雪村の話を知ります。
二人の話は第二次大戦にさかのぼりました。巻上は、オキナガの特殊部隊に所属しており、竹之内はその部隊の隊長でした。
戦場で、竹之内は死にかけた雪村を見つけます。試みに竹之内は自分の血を雪村に飲ませると、雪村に竹之内の血は適合し、雪村はオキナガになりました。
死にかけの少年を助けるためとはいえ、不老不死のオキナガにしてしまった雪村に、竹之内は後悔の念を抱き、自分が雪村をオキナガにしたと言い出せません。そしてこの後、竹之内は雪村の保護者のような存在として何かと雪村を気にかけるようになります。
自分が得体の知れないオキナガになったことに不安を感じながら、郷里に帰った雪村は、仲の良かった少女、棗を探します。親が亡くなって妹と親戚の元に身を寄せていた棗は、雪村が生きて帰ってきた事に喜びます。しかし、雪村を追ってきた不審な役人とアメリカ兵に、棗は雪村を逃がす手伝いをします。
そんな中、雪村は日に当たると具合が悪くなるという自分の体の明らかな変化を感じ、倒れてしまいます。追っ手に捉えられた雪村が目を覚ますと、そこにいたのは竹之内でした。彼は雪村に、君は死んだと棗に伝えたと言います。
竹之内の真意は? そして、捕まった雪村は、今後どうなるのでしょうか――?
「白暮のクロニクル」2巻のネタバレ
ネタバレです。雪村は、アメリカの依頼の元、オキナガの生体を知るために解剖をされます。雪村は、切り刻まれてもなぜか生きていること、自分の髪の色が変化していることに気づきました。自分はもうバケモノになってしまったと、雪村は棗の所に戻れず慟哭します。
そして伏木の祖母、長尾棗は、雪村の幼なじみで恋人のような関係でした。しかし、雪村は国に捕まった後に死んだと伝えられ、二人はそのまま長年会うことはありませんでした。
しかし十年後、オキナガの保護施設閉鎖にあたり、施設の住人である雪村の名前が新聞に掲載され、それを目にした棗は雪村と連絡をとり、二人は再会することになります。
結婚した棗にあってどうするのか、思い悩みながら雪村は棗と喫茶店で話をします。子供が出来た事、現在の幸せそうな生活を聞いて、雪村はもう棗とは会わない決心をします。しかし、2日後の新聞で棗が行方不明になったことを知った雪村の元へ、竹之内が現われます。
棗とあった日の雪村のアリバイを確かめ、竹之内は棗が殺された事を雪村に告げます。棗の殺された時の凄惨な状態を知り慟哭した雪村は、その後何十年経っても棗を殺した相手「羊殺し」を追い続けるのです。
「白暮のクロニクル」2巻の感想
伏木と雪村の、祖母を介した因縁が語られた今巻は、雪村の悲哀に彩られています。望まずしてオキナガになってしまった雪村は、国の生体実験に利用され、恋しい少女の元へも帰れなくなってしまいました。
そして再会してもオキナガになった自分と、人間のままの棗との違いを目の当たりにして、自ら関係を断ち、日の当たらない生活へ戻ろうとします。彼のやりきれない心情は、いかばかりでしょう。
棗の仇をとるため、雪村は羊殺しを執拗に追い続けています。人並みの幸福を望むことは出来ず、そんな形でしか好きだった少女への思いを形に出来ない雪村は、伏木と出会う事で変わっていくのでしょうか?
まだまだ残る謎とあわせ、今後の展開を見守っていきたいです。
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