「関根くんの恋」最終巻、ついに関根とサラの恋に決着がつきます。
大人だからって、スマートに恋愛が出来るかと言えば、必ずしもそうではありません。経験を積むにつれ、余計な事を色々考えるようになってしまいますが、幸せとは案外シンプルなものなのではないでしょうか。
恋に臆病になってしまった大人の女性にこそ、読んで頂きたい物語です。
「関根くんの恋」5巻のあらすじ
関根はサラと食事の約束をしていましたが、列車の事故やタクシーの渋滞など不運が重なり、おまけに携帯の充電も切れて連絡もとれません。タクシーを降りて必死に走りますが、店に着くとサラは帰ってしまったところでした。
何度電話をかけても、サラは出ず、店のウェイターからずっとサラが待っていたことを聞いて、関根は落ち込み、明日店に寄ることを決めます。
しかし、その日は取引先との急な飲み会が入り、おまけに以前ビリヤード場で知り合い、関根に一目惚れしたサチコと偶然再会します。殆どサチコを覚えていない関根ですが、サチコは虎視眈々と関根を狙います。
そんな折サラは、関根の家まで祖父の頼まれ物を届けに行きます。サラは、関根の言葉と必死な表情を思い出して、関根の気持ちを信じ始めていたのです。しかし、そこにタクシーから降りたのは、酔った関根を介抱するサチコ。すっかり誤解をしたサラは、関根に会わずに帰ってきてしまいます。
翌日、手芸屋の前で関根はサラにドキドキしながら声をかけ、約束にいけなかったことを謝ろうとしますが、サラはそっけなく、関根が何度も電話してきたことを迷惑だと言い切ってしまいます。
関根はサラの誤解をとくことができるのでしょうか?
「関根くんの恋」5巻のネタバレ
ネタバレです。関根は、サラに数音の事がまだ好きだという誤解も受け、思わせぶりだと思われてしまいます。サラは腹いせに、決まった相手がいたとしても、関根には絶対教えないと憎まれ口をたたき、素直に信じた関根は号泣、アドレスも消去してしまいます。これで関係が途切れたかと思われましたが、関根を狙う新たな女性の捨て身のアプローチに、関根はかえってサラを思い出して全力で抵抗します。
ここで初めて関根は自分に寄ってきた顔も思い出せない女性達に、本気だったとしたら気持ちを無碍にしてひどいことをしたと反省をします。現在進行形でサラを好きでいることで、はじめて関根は人の気持ちについて考えるようになったのです。
その後、関根に京都への栄転の話が舞い込みます。紺野と引っ越し作業をする関根ですが、サラに編んだセーターや編みぐるみに占拠された部屋に、自分の恋心を改めて思い知らされます。編み上がったものをひたすらほどいていく関根ですが、そこに紺野に転勤の事をきかされたサラがやってきました。
大量の編み物を見て驚くサラは、それが全部自分のためだと聞かされ、関根の真意を知って気持ちを受け取る決意をします。
「私もおそろいの気持ちだと思います」
関根の恋とその結末を、ぜひ皆さまにご覧になっていただきたいです。
「関根くんの恋」5巻の感想
外見と中身が伴わず、非の打ち所が無いのに残念男子の関根の恋が、ついにフィナーレを迎えました。
外見の綺麗さに惑わされて恋は百戦錬磨と思われがちな関根ですが、やっていることは恋に不慣れな中学生男子のようです。彼の一歩進んで二歩下がるような恋に、大人だけれども、恋に不慣れでその一歩がすすめない、空回りしてしまうなどという方は共感いただけるのではないでしょうか。
また、モテ男子堂島も、年下の幼なじみの少女への片想いを、「お前が何回誰のものになっても」「平気な顔して待ち続けてやる」とこじらせてしまっています。大人だって、経験があったって、本気の恋には臆病になり、妙な行動に走ってしまったりしてしまうこともあるでしょう。
関根のポンコツで一生懸命な恋愛は、そんな大人の方々を励ましたり勇気づけたりしてくれるのではないでしょうか。純粋に残念男子好き、不器用男子好きの方にも強くオススメしたい良作です。
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