試合をする中で得られる事はたくさんあります。大きく負けた試合でも勝った試合でもその中で得ていくものは大きいです。全く知らない敵との戦いの中でどれだけ成長出来るか出来ないかは本人の感じ方でしょうが。この少年ラケットも伊智朗達森原中も各々成長していきそうです。接戦が続く試合に目が離せません。
「少年ラケット」5巻のあらすじ
伊智朗は火事で記憶と父を失い慣れない野球をしていたのですが、卓球と再会してライバルヨルゲンとの戦いの中で徐々に記憶を戻して卓球部に転部していくのですが森原中の卓球部員の個性豊かな面々に戸惑いながらも一歩ずつ前へと向かいます。そして地区のライバル桃田西中との練習試合が行われます。曲者揃いの桃田西中に苦戦が続きます。
一番手轟木(森原)とハリー(桃田西)の対戦も大詰めです。ハリーの変則攻撃に苦しみながらも徐々にペースをつかみ始める轟木。追い込まれ弱気になっていくハリーにキャプテンのホームズ(桃田西)は全てを出し切るように激励する。そして挽回し始めるハリーに逆に轟木は追い込まれます。
10―9でもう少しでジュースという場面でハリーの罠にはまったようでしたが、気合の一撃で粉砕します。これで2-0と森原中が大きくリードします。
そして次はキャプテン岩元(森原)と1年の大和(桃田西)、副キャプテン埋金と物静かな鳥飼(森原)とキャプテンのホームズ・ルパンの曲者ペア(桃田西)の2試合が始まります。ホームズ・ルパンペアは埋金と鳥飼ペアに苦戦するもほぼ完勝に近い形で勝ちます。
岩元は堅実な卓球で圧勝するかに思えて大和の予想以上の実力に苦戦して負けてしまいます。そしてとうとう団体戦の勝敗の行方は伊智朗とビリーの勝敗次第となります。
緊迫した勝負で進化する
ネタバレです。桃田西との練習試合も大詰めです。轟木は前巻の中で父との関係を掘り起こされ動揺したのですが、試合が進むにつれ吹っ切れていきます。一方ハリーは轟木の迫力に押され防戦一方となります。
最終セットのタイムアウトの中で「人を殴る目だ」と怖気づくハリーにホームズは「全て出し切ろう。キミの魔法の全てをね」とアドバイスします。それが力になりポイントをとり返します。しかし苦戦した中で轟木は勝利したと同時にもやもやします。
その試合の後にキャプテン岩元達の試合が始まります。先輩たちのラリーに見とれる伊智朗に城島は解説を交えてアドバイスします。
城島の激励に応えたいと思う伊智朗ですが団体練習試合は思わない結果が出てきます。キャプテン岩元がまさかの敗退をしてしまいます。伊智朗とビリーの試合で勝敗の決着がつくという緊張感の中で本来の力をだせるのでしょうか?
感想とまとめ
今回も前回に引き続き桃田西中との対戦です。轟木とハリーとの対戦はサイドストーリーを絡めて展開するので、試合の流れがより一層楽しめます。また卓球の技術的な事や細かい解説もあり卓球初心者にも有り難いです。
なぜこのコースなのかということを丁寧に両者の心理描写を含めて描かれていて緊迫感もあります。そして注目はいくつかありますが、岩元の対戦相手の大和はちょっとライバルキャラになりそうな登場です。ヨルダンとも因縁がありそうなので、地区大会編はさらに楽しめそうです。
さらにもうひとつの目玉ビリーと伊智朗の対決ですがこちらも目を話す事が出来ないくらい面白いです。ビリーのスピードについていけず苦戦するなど王道の展開に心揺れます。ここら辺りが試合の様子を丁寧に描いていかにも少年チャンピオンという感じ安心感があります。
今回は濃いキャラが出てくるので、ライバルキャラやキーポイントになりそうなキャラが隠れていそうで次の展開に向けて必読です。
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